東京・西新宿の社会保険労務士事務所・人事労務コンサルタント
労務相談 サービス残業対策  メンタルヘルス  社員研修 
プライバシーポリシー

さかば人事労務事務所
03−5909−7253


ホーム ご挨拶 業務案内 料金案内 お問い合せ
ホーム> 震災による雇用・労務問題

東北地方太平洋沖地震で被災された方々、ご関係者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

このページでは、震災による雇用・労務問題についてお知らせしております。

1.厚生労働省の対策 
2.雇用調整助成金について
3.計画停電時の休業手当について
4.震災復旧工事の労災保険適用の特例

5.3年以内既卒者奨励金の拡充
6.被災者雇用開発助成金の創設

1.厚生労働省の対策

 <主な対策>

・被災された方は、被保険者証がなくても医療機関での受診ができます。

・保険者の判断により、健康保険の一部負担金の減免や保険料の納付期限の延長などができます。

・被災地域の事業所へは、厚生年金保険料及び労働保険料等の納付期限の延長・猶予を行います。

・事業所が災害を受け、事業を休止したなどの理由により就労ができず、賃金を受けとれない状態にある方は、失業給付が受給できます。

・被災された方の失業給付は、住所地以外のハローワークでも受給できます。

・震災の影響による経済上の理由で事業活動が縮小し、雇用維持のため従業員を休業させた場合、雇用調整助成金を利用することができます。(詳しくは下記3を参照)

・緊急避難している方の一時入居先、緊急避難場所として雇用促進住宅を提供します。

・労災保険給付の請求に関して、事業主や病院などの証明が困難な場合は、証明がなくても請求を受け付けます。

また、今回の地震に伴う傷病の業務上外等の考え方についての問い合わせを、労働局で受け付けています。



2.雇用調整助成金について

 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む。)は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用を維持するために、一時的に休業等を行った場合、当該休業等に係る休業手当相当額等の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度です。

東北地方太平洋沖地震被害に伴う※「経済上の理由」で事業活動が縮小した場合についても利用することができます。

 また、この場合、雇用の維持に取り組む事業主を迅速に支援できるよう、支給要件の緩和も行っています。

※ 東北地方太平洋沖地震を直接的な理由(避難勧告・避難指示など法令上の制限を理由とするもの等)とした事業活動の縮小については、「経済上の理由」に該当しないため、本助成金の対象になりません。


(具体的な活用事例)

○ 交通手段の途絶により、従業員が出勤できない、原材料の入手や製品の搬出ができない、来客が無い等のため事業活動が縮小した場合。

○ 事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合。

○ 避難指示など法令上の制限が解除された後においても、風評被害により観光客が減少したり、農産物の売り上げが減少した場合。

○ 計画停電の実施を受けて、事業活動が縮小した場合。

※ 既に雇用調整助成金を利用している事業主が、東北地方太平洋沖地震被害の影響を受け休業を行う場合にも、助成対象になります

(主な支給要件)

○ 最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主が対象となります。

○ 休業等を実施する場合、都道府県労働局又はハローワークに事前にその計画を届け出る必要があります。

○ さらに青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県のうち災害救助法適用地域に所在する事業所の場合、今回の地震に伴う経済上の理由により最近1か月の生産量、売上高等がその直前の1か月又は前年同期と比べ5%以上減少していれば対象となります。

平成23年6月16日までの間については、災害後1か月の生産量、売上高等がその直前の1か月又は前年同期と比べ5%以上減少する見込みの事業所も対象となり、また同日までの間に提出された計画届については事前に届け出たものとして取り扱います。



3.計画停電時の休業手当について

 現在計画停電が実施されていますが、それに伴い従業員を休業させている企業もあります。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業対象者に、平均賃金の60%の休業手当を支払わなくてはなりません。(労働基準法26条)

 つまり、使用者の責でない休業であれば、休業手当を支払わなくてもよいということです。

 天災事変で事業場が被災した場合、休電により事業ができない場合等は、「使用者の責ではない休業」とされていますが、今回のような計画停電の場合も「使用者の責でない休業」とする通達が出されました。

通達はこちら

 なお、計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として使用者の責に帰すべき事由による休業に該当し、休業手当が必要になりますので注意が必要です。

(ただし、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが著しく不適当と認められるときには、使用者の責でない休業とされます)

 ところで、今回の震災では、交通手段の問題や、取引企業の休業等で、自宅待機を命じている企業もあります。

 このような場合は原則として休業手当が発生すると思われます。

 明確な通達もなく、監督署に問い合わせてもケースバイケースと言われますが、計画停電と同じように、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案して判断されます。

ただ、この大変な時期に、「払う、払わない」でモメている場合ではありません。

短期間の休業であれば、休業日に有給休暇を使ってもらうことも一つの方法でしょう。

トラブルになって余計な時間を使うことにならないよう、休業時の賃金の取扱いついては労使間でよく話し合ってください。

 この危機を乗り越えるためには、労使のコミュニケーションを密にし、一致団結することが何よりも必要なことだと思います。



4.震災復旧工事の労災保険適用の特例

東日本大震災による被害の復旧を目的とする工事(建設の事業)に関して、労災保険適用の特例が利用できます。

1.有期事業の一括ができる都道府県労働局の管轄区域以外で行う工事であっても、既に成立している一括有期事業に含めて、申告、納付することができます。

※一括有期事業開始届により、事業所(労働保険の納付事務を行う事務所)の所在地を管轄する労働基準監督署に報告する必要があります。

※現在、一括有期事業の労災保険番号を持っていない事業主も、事業所(労働保険の納付事務を行う事務所)の所在地を管轄する労働基準監督署で、労災保険番号を取得すれば、同様に取り扱うこともできます。

2.工事開始時に請負金額が未定であっても、概算保険料額が160万円未満であれば、一括有期事業として取り扱うことができます。

※後に、請負金額が1億9千万円以上となった場合でも、引き続き、一括有期事業として取り扱うことができます。

※後に、請負金額が確定した場合は、労務費率による賃金で確定申告もできます。

一括有期事業とは・・・

建設事業の労災保険は、原則、工事現場ごとに申告納付の手続きが必要となります。

しかし、一定の要件(※)を満たしたすべての工事は、全体を一括して一つの事業として取扱い、労働保険料の納付の事務を行う事務所で手続きを行うことができます。

※ 
・請負金額が1億9千万円未満、かつ、概算保険料が160万円未満
・労働保険の納付事務を行う事務所の所在地を管轄する都道府県労働局の管轄区域
(隣接県等を含む)で行う工事

上記の通り、有期事業の一括には一定の要件がありますが、被災地の迅速な復旧が求められている状況下において、多数の災害復旧事業をそれぞれ単独で労災保険を適用させていたら、事業主に多大な事務負担が生じる上、被災地の労働局に申請が殺到し、迅速な復旧の妨げになる恐れがあることから、このような有期事業一括適用の特例が設けられました。



5.3年以内既卒者奨励金の拡充

 平成21年3月以降に学校を卒業し、9県(青森、岩手、宮城、福島、茨城、長野、新潟、栃木、千葉)の災害救助法適用地域に住居する「被災した卒業後3年以内の既卒者」は以下の通りに奨励金額等が拡充されます。

(被災後他地域に避難した人は含みますが、平成23年3月11日以降に被災地外から被災地に転居した人は除きます)



@3年以内の既卒者を対象にトライアル雇用を行う企業への奨励金(「3年以内既卒者トライアル雇用奨励金」)

トライアル雇用後の正規雇用での雇入れに対する奨励金額を50万円から60万円に拡充。


【支給額等】有期雇用(原則3か月)1人月10万円、正規雇用から3か月経過後に50万円→被災地の3年以内既卒者は60万円

A新卒扱いで3年以内の既卒者を採用する企業への奨励金(「3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金」)

100万円(1事業所1回限り)を120万円(1事業所10回限り)に拡充・緩和。

【支給額等】
正規雇用から6か月経過後に100万円・1事業所1回限り→被災地の3年以内既卒者は120万円・1事業所10回限り

案内チラシ



6.被災者雇用開発助成金の創設

【対象事業主】

東日本大震災による被災離職者や被災地域に居住する求職者を、ハローワークなどの紹介により、雇用保険の「一般被保険者」(継続して1年以上の雇用が見込まれる労働者)として雇い入れる事業主

【対象労働者】
 次の1、2どちらかに該当する労働者が対象となります。

1.()から()の全てに該当する方

 ()東日本大震災発生時に被災地域※1で就業していた

 ()震災後に離職し、その後安定した職業に就いていない

 ()震災により離職を余儀なくされた


2.()、()の全てに該当する方

 ()被災地域に居住する方震災により被災地域外に住所または居所を変更している方を含み、震災の発生後に被災地域に居住することとなった方は除く

 ()震災後安定した職業に就いていない

 ※1 震災に際し、災害救助法が適用された市町村東京都を除く

 
【支給額と助成対象期間】

 
 対象労働者に支払う賃金の一部として、以下の金額を助成対象期6カ月ごとに支給します。助成対象期間は1年です。

 
大企業50万円(第1期25万円 第2期25万円)、中小企業90万円(第1期45万円 第2期45万円)

 短時間労働者※2)は大企業30万円、中小企業60万円

 
※2 短時間労働者とは、一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者をいいます。


リーフレットはこちら



上記の他、解雇の問題や、内定取り消しなど、様々な労務問題が生じると思われます。
当事務所では震災による雇用・労務問題の特別相談を実施しております。



さかば人事労務事務所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-5-12 トーカン新宿第2キャステール707
Copyright(C) 2011 Sakaba Labor Management Office All Rights Reserved.