貸し切りバス事業者を対象にした総務省の抽出調査で、運転手に法令に違反して長時間労働をさせていた事業者が44%に上ったことが平成22年9月10日に発表された。
総務省は同日、国土交通省に是正指導を徹底するよう勧告した。
国交省に届け出た運賃より低額で旅行会社などと契約していた事業者も90%に達しており、総務省は「参入規制の緩和で事業者が増えて競争が激しくなり、安全運行への懸念が高まっている」と指摘している。
原口一博総務相は記者会見で「貸し切りバス事業者の法令違反が後を絶たない中、指導監督の仕組みが必ずしも機能していない」と述べた。
総務省の出先機関である管区行政評価局などが、全国で4千超の貸し切りバス事業者から84事業者を抽出し、2008年5月の運行状況を対象に調べた。それによると、37事業者が運転手の拘束時間や運転時間が道路運送法などに基づく基準を超えており、1日の拘束時間が基準(1日最長16時間)を5時間40分オーバーする21時間40分に及ぶケースもあった。
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