自転車通勤のトラブル・リスク

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解説
 昨今、自転車通勤する従業員が増えています。
環境にやさしく健康増進にもなる自転車。ただ、自転車利用ははメリットばかりではなく、事故などのリスクもあります。
公共交通機関、または自動車・バイク通勤に関しては、規程等でルールを定めている会社は多いですが、自転車通勤に関しては、詳細なルールを定めていない会社が多いのではないでしょうか。
自転車に関する事故やトラブルが増えていますので、次のような観点に留意し、自転車通勤に関しての規定・ルールを定めましょう。

@事故防止・事故が起きた際の対策
 最近は自転車事故が増加しており、警察も自転車への取り締まりを強化しています。
自転車は「軽車両」であり、自動車と同じように交通法規を守らなくはなりませんが、信号無視など、交通法規が守られていないことが多い状態です。
 事故防止のためにも、交通法規の順守を規定等に定めたり、自転車の安全利用に関する研修、啓蒙活動をしたりすることが必要です。
 また、自転車は転倒等で事故の被害者になることもありますが、歩行者との接触等で加害者になることもあります。
 通勤途中に転倒等で怪我をした場合は、原則労災保険で通勤災害として補償されます。しかし、加害者となり第三者に怪我をさせた場合、第三者への損害賠償等は労災保険では補償されません。
 自転車の加害事故で多額の損害賠償を命じられることもありますので、加害者となった際の対策も考えておかなくてはなりません。
なお、従業員が自転車通勤で加害事故を起こした場合、ただちに会社の責任が問われ、会社が損害賠償義務負うことはありませんが、会社が積極的に自転車通勤を認めるという姿勢であると、会社の責任が問われる可能性もあります。
自転車通勤を黙認している状態であっても、積極性が認められる恐れがあるので注意が必要です

 事故のリスクを考えると、自転車通勤は許可制にして、許可する場合は自転車損害賠償保険の加入を義務づけるなどのルール作りが必要でしょう。

※東京都では「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が2013年7月に施行され、自転車利用に関して次の義務を課しています。
●自転車を利用して通勤する従業員が自転車を安全で適正に利用することができるよう、事業者が、研修の実施、情報の提供その他必要な措置を講じるように努力すること(14条)
●自転車利用者が自転車損害賠償保険等に加入する努力義務(27条)

(他の都道府県でも、自転車に関する条例が定められている場合があるので、確認してください。)

A駐輪場の問題
 都心部のオフィスなどは、必要な駐輪場を確保することは困難でしょう。
駅前や歩道などの「放置自転車」が社会問題となっていますので、駐輪場が確保できない場合は、自転車通勤を許可すべきではありません。
※「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」では、従業員(1月以上雇用することが見込まれない従業員は除く)の通勤における自転車の駐輪について、必要な場所を確保するか、従業員がが当該駐輪に必要な場所を確保していることを確認する義務を課しています。(30条)
(自宅から最寄り駅までの自転車利用の場合も、駐輪場の確認をしなくてはなりません。)

B通勤手当の支給
 普段は自転車通勤でも、雨天時は電車通勤するというケースはよくあります。
また、自宅から最寄り駅まで自転車で行き、駅周辺の有料駐輪場を利用する場合など、自転車と通勤手当の問題はよく発生します。
 なお、自転車通勤にもかかわらず電車通勤等と届け出て通勤手当を不正受給していた場合、その通勤手当は不当利得となり、民法上、会社は過去10年以内の不正受給分の返還請求が可能です。
 ただ、実際に不正受給が発覚し、その返還請求をするとなると、実務上は大変な労力となります。
トラブルを未然に防ぐためにも、通勤手当に関してのルールを定め、自転車通勤をしっかり管理することが大切でしょう。

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